長距離おさんぽ部

長い散歩が好きです

「潮目」と最後の綾里駅(岩手県釜石市 三陸駅〜陸前高田市 綾里駅:15km MCT day30)

前回は三陸駅で旅を終え、一泊して今回は三陸駅の潮目からスタートです。全体だと北上で歩いていますが、セクションは電車の都合や使える時間を考えてたまに南下しています。

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三陸鉄道はかいけつゾロリ冒険号。小学生時代読み倒しました。

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三陸町観光センターは開いている時間に結局訪れることはありませんでした。ここは2023年3月いっぱいで閉館してしまいましたが、現在ニューオキライとして週末憩いの場としてオープンしています。

最近初めて訪れましたがコーヒーやアイスもあり、一休みにちょうどよい場所になっています。

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前日に約束した通り「潮目」に!施設の方が待っていてくれました。温かいコーヒーをいただきながらみちのく潮風トレイルと越喜来にまつわる様々な話を聞きます。

昨日峠道でみた可愛らしいオブジェたちはここから生まれているようです。ちびっこたちの遊び場にもなっているみたい。こんな秘密基地みたいな遊び場、ワクワクするだろうなぁ。
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中にはたくさんのハイカーたちの写真!実は今まであまり他のハイカーともすれ違わず、少々お話したくらいで関わってこなかったのですが、たくさんのハイカーがこの「潮目」を通って南下、北上していき、交流し、ハイカー同士の輪を拡げ、みちのく潮風トレイルの良さを共有してより理解を深めているようです。

簡単ですがごろ寝するスペースもあって、ここで寝泊まりしてしばらく滞在し、周辺を歩くハイカーもいるのだとか。私も初めて来たのになんだか落ち着く空間についつい長居してしまいたくなりました。

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また来ると約束して、今日のルートを歩きます。まず最初に見えるのが未音崎湾展望台。東屋に飾られたガラスの浮子とそこから見える静かな海の眺めが美しい朝のひとときです。
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歩く道は未だ津波の面影を残す道。
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ここにも越喜来のオブジェ。
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高台に作られた三陸鉄道。まっすぐと人々の生活をつなぎます。
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遠くに見える甫嶺(ほれい)駅。青空に高台の駅舎が映えます。
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今日の海は青く透き通っています。三陸の海はしばしば目を奪われ足が止まってしまうほど美しいです。
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カラフルな恵比寿様。こんなカラフルな恵比寿様。
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遠くに見えるは恋し浜駅。三陸鉄道に乗っているとファンシーな駅を目にすることができるのですが、歩いているとちょっと階段を登りたくない…。恋し浜駅は元は「小石」浜という名前でしたが、2009年に名前を変え、恋愛のパワースポットとなっています。駅舎の中にはホタテの絵馬が飾ってあります。

www.city.ofunato.iwate.jp

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自動販売機もピンク色。中に小さなガラスの浮き球が入っていたりしてとても可愛い。

そして何よりみちのく潮風トレイルの看板がピンク!あまり触れてきませんでしたがみちのく潮風トレイルのカラーは大体が緑なので珍しいです。

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ポストもピンク!
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階段を目の前に尻込みしてしまい駅には上がらず次へ。峠道に入っていきます。ちょっとしたところにもまだ越喜来の名残があります。
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舗装路だし今日はアイゼンいらないかな(昨日曲げたし)と思っていたらまさかの道路がツルツルスケートリンク。少し変な姿勢になりながらどうにか踏ん張って登っていきます。
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越喜来の名前の由来の看板がありました。越「鬼」来という字が当てられていたのだとか。坂上田村麻呂の蝦夷討伐に由来があるそうで、逃げ延びた蝦夷が追われてきたようです。今は「喜」に字を変えて、峠を越えてまで訪れる素敵な集落となっています。
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峠越え!ちなみにこの峠の名前なんていうんでしょう。車でも来られます。冬はおすすめしないけど。
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ほたて。

下り道は苔むした擁壁の雰囲気がよく、舗装路ではありますが楽しく歩けます。眼の前をずっとハクセキレイがぴょこぴょこ歩いていて可愛かったです。
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そして三度目の綾里駅。これで最後になります。私はこの綾里駅がトレイルルートの中で一番好きかもしれません。売店で「綾里駅」キーホルダーを買いました。

またくるかなぁ。またくるよね。

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綾里駅の横に立派な獅子舞!とおもったらお神輿!
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本日は15kmピッタリ。道路がツルツルでさえなければとても歩きやすく素敵な道でした。素敵な出会いもあってこの先歩くモチベーションも湧きました。

これからトレイル歩く予定の方は「潮目」の時間をしっかりとってくださいね!

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準備万端雪の峠道(岩手県釜石市 唐丹駅〜大船渡市 三陸駅:21km MCT day29)

この日は前日夜に釜石入りする予定でしたが、大雪の警報が出て交通機関は大荒れ、鉄道も運休するらしいとの情報を得てかなり歩きに行くか迷いました。しかし宿の予約もしちゃったし、今年度で東北を出ることも決まっていたので時間も限られていたため決行。午後休をとってお昼発でなんとか釜石にたどり着きました。

夜になるにつれしんしんと雪は降り積もり、東北と言えどあまり雪は積もらない太平洋の海沿いの釜石も一面の雪景色になりました。電車は夜は運休だったので早めに移動して正解でした。

三陸鉄道はなぜか運休の情報がなかったので結構強いのでしょうか。当日の予定にもかかわるので鉄道情報とずっとにらめっこしていました。

無事に雪の積もる釜石で朝を迎え、今日は唐丹(とうに)駅から鍬台峠、羅生峠を越え三陸駅に向かいます。二つの峠越えです。いつもは北上ルートですが、今回は工程の都合でセクション南下ルートを取ります。

4月に大六天山で痛い目にあったので、今回はトレッキングポールと軽アイゼン、雪対策もばっちりです。

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唐丹駅は真っ白。私のつけた足跡以外は車の跡のみです。山陰になっているのもあり結構積もっていますが山の中はどうでしょう。
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昨日は雪も相まって大荒れでしたが、だんだんと天気は回復してきました。少し曇り空。
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鍬台峠登り口に着きました。入口からなかなかの積もりっぷりです。あまり慣れていませんし、山の中で装着するのも大変なので軽アイゼンを着けます。あるのは鹿の足跡だけ。
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雪が積もった山の中はとても静かです。ちょっとした小川も神秘的に見えます。
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トトロ!この辺りは越喜来にある潮目の皆さん中心にみちのくトレイルを盛り上げようといろいろなオブジェを目にします。人はいないけどなんだか温かい。

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トトロの背中はちょっとびっくり。WELCOME TO OKIRAIと書いてあります。
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雪の中でもトレイルテープはちゃんと見つけられました。道迷いだけは心配だったので一安心。
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思ったより雪が深くてラッセルのようになってしまっています。一番深いところだと1mくらい。アイゼンとポールのおかげで滑りはしませんがなかなか疲れます。
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真っ白な雪と青空の対比がとても美しい道。時間はかかりますが一歩一歩頑張ります。大雪は降りましたが気温はそこまで低くないです。
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もうすぐ峠越えの予感!
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峠に到着しました。雪に風が通り抜けた跡がついています。砂丘で見られる風紋かな。どのように風が通り抜けて雪の吹き溜まりができるのかがはっきり見えます。吹き溜まりに足を入れると膝上まで埋まるのでポールで雪の深さを確認しながらのんびり歩いています。
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こんな雪の中にある鍬台峠にもちゃんとみちのく潮風トレイルの綺麗な案内板があります。(雪がなければ歩きやすくて楽しい峠道だと思います。雪積もっても楽しいですよ!)
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少し平坦な林の中はしっかりと標識を探しながら歩かないとすぐ迷いそうになります。迷ったら戻る精神を忘れずに。小川を越えていきます。
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無事に下山して吉浜駅。三陸鉄道のアナウンスでは「きっぴん」とも言っています。きっぴんアワビからきているみたいですが、地元の人は吉浜のことをきっぴんって言ったりするのでしょうかね。
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駅舎の中は賑やか!写真撮り忘れましたが駅舎がピンクです。地域の本がそろっていたり、気象用の気球があったり賑やかな感じで少しゆっくりするのに最適です。休憩してまた次の峠へ。
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羅生峠に入るとますます越喜来の空気を感じます。ちょっとした石にもほっこり。雪の中ひとりぼっちで歩いていますがとても心強く安心します。
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吉浜駅に降りたときは雪はもうほとんど溶けていましたが、やはり峠の中は雪道。

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旅を見守っていてくれています。
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^-^
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峠の予感!こんなところにも電柱があってびっくりします。
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越喜来の方たちが作ったみちのく潮風トレイルの案内椅子。歓迎されている感じをひしひしと感じます。
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てんとうむし!
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旅路も「潮目」が近いです。
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峠から下りて町に入ります。ほっとします。
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おすすめって言われたからには行くしかない。
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大王杉、大きすぎて写真に入りきれません。立派です。
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日の入りが近いです。冬の歩ける時間は短い。とぼとぼ駅まで向かっている途中地元の方とおしゃべり。あなたはあの峠から来たんですよ!って山のどのあたりだったか教えてくださいました。峠に入っていると自分がどこにいたのかわからないものです。
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今日のゴールの三陸駅の目の前にある「潮目」。先ほど峠道にかわいらしいオブジェを置いて歓迎してくれていた施設です。見た目がおもちゃ箱のようでいろんな方の愛情を感じます。ここは震災資料館であるととともに、ハイカーのコミュニティスペースになっています。

まさしく私にとってもここが、ずっと一人ぼっちで歩いてきたみちのく潮風トレイルでの「潮目」になりました。施設を管理する方にまた明日の朝くると約束して一度ここを後にします。電車に乗る前に泥だらけの靴を洗わせていただきました。助かりました。

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夕焼けを眺めながら電車に乗ります。今日は釜石に泊まってまた明日続きから。

雪道は準備次第で不安ながらもとても楽しい旅路になります。雪は積もっていたけど風がほとんどなく気温もそこまで低くなかったのが助かりました。

ちなみにおろしたての軽アイゼンは履いたままアスファルトを歩いてひん曲がりました。はぁ...。

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早朝から半島めぐり(岩手県陸前高田市 広田半島:27km MCT day28)

前回の綾里半島に続いて今日は広田半島を一周します。荷物は駅に預けてきたので軽々歩けます。

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BRT小友駅からスタートです。6時半でしたが少し早かったようで暗いです。車に轢かれたくないのでヘッドライトをつけようとしたら電池が切れていました。これが日没後の峠道とかじゃなくて本当に良かった。必ず出発前に電池の確認はしましょう。
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飛び出しそうなおばあちゃん!明るくなってきました。
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これはまさか桃ノ浦で見たブルーベリーの妖怪リスペクトでは!?

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浮子オブジェもここまでくると完全に芸術です。色がそろっているところがいいです。


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民家のヤギ。首をかしげて私を見つめていたかと思うと、直後に尻尾を上げてうんちするところを見せつけてきました。なんなんだろう。

歩いているとヤギを飼っているお家をちらほら見ます。お庭や畑の草むしりをして働いているようです。おとなしいし人懐っこいしかわいいです。私ももし庭がとてつもなく広い家に住めるのならばヤギを2頭飼いたいです。
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曇り空ではありますが海が透き通っていて綺麗。海の青さが格別です。ここは広田海水浴場。

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遊歩道も歩きやすく、アップダウンはあるものの木々の間から海が見え、展望が開けた時の景色を想像するだけで楽しいです。
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岸壁に打ち付ける白い波。穴通磯のような景勝地があちこちにあります。どこを切り取っても景勝地。黒崎仙峡まで歩いていくつか鳥居を見ました。
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実は黒崎仙峡が近くにあることはわかったものの一体どこがずばり黒崎仙峡なのか全くわからず…???となりながら通り過ぎてしまいました。駐車場は通ったのだけど逆から入ったのでよくわからなかったです。どのルートに入ればよかったのかいまだに謎です。
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町の公民館の字体が独特で素敵。どなたかデザインをされる方がいるのでしょうか。ここは蒲田公民館。
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岩倉公民館。
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ここは普通に達筆。達筆すぎて読めない。大野公民館かな。どこも字体に気合が入っています。
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ゴールが近づいてくると天気も回復してきました。秋のいい天気。うろこ雲。
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柿を啄むエナガ。
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広田半島は過ごしやすい気候で雪もあまり積もらないそうです。地元のおばちゃんの井戸端会議に混ざらせてもらいました。岩手に入ると急に呼び止められておしゃべりする時間が増えました。一期一会の時間も楽しいものです。
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小友のバス停近くのため池に白鳥。冬の東北の田んぼは渡ってきた白鳥で賑やかです。白鳥は見た目は優雅ですがとても声がうるさいです。
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朝はまだ暗かった小友駅に到着。27kmの歩きと長い1日になりました。帰り道も長い!疲れきったため結局一関に宿を取ってゆっくり寝て、月曜始発で帰りました。そういう日もあります。

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綾里半島と広田半島と直線的な移動距離が全く進まない区間をしっかり歩ききって大満足です。北上を考えるとロスをしているような気がしますが、海と生きる人の暮らしの中を歩くよいルートになっているなと感じます。

曇り空の綾里半島(岩手県陸前高田市 綾里半島:15km MCT day27)

2023年入って最初のみちのく潮風トレイルは2日かけて今まで飛ばしてきた半島のルートをつぶしていきました。さすがに自宅のある仙台から当日に移動してくるのは時間がかかりすぎるので、気仙沼に仕事終わりに前入り、荷物デポして歩くという方法をとりました。荷物は軽ければ軽いほどよいです。

残念ながら少し雨模様ですが歩けないほどではないみたい。初日は綾里半島を歩きます。

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スタートの盛駅。こちらは三陸鉄道の方の駅舎です。オレンジ色がピカピカ。
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三陸鉄道の各駅にはこの木彫りのねこちゃんたちのモニュメントが飾ってあります。盛駅はサンマ。
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かいけつゾロリ号!小学生の時よく読んでいました。まだ人気あるのかな。三陸鉄道は各車両のラッピングが楽しくて、長崎の頃の路面電車を思い出します。

電車に綾里駅へ向かい、立石山に向かって歩き始めます。
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空は曇り空ですが不思議な雰囲気。この一帯は木に縦横無尽に紐が張り巡らされていたのですがなんのためだったんでしょう。
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遠くに見える青空と入江。海は穏やかです。
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大きな転石で曲がってしまった標識。結構大きくてなかなか怖い。

標識を一生懸命撮っていたらトレランのグループの方とすれ違いました。トレラン結構流行っていて、トレイルと調べるとトレイルランばかり出てきます。私はゆっくり歩くのが好きなので多分挑戦もしないですが、山道をひょいひょいと走っている人を見ると尊敬します。装備はかなり参考になります。トレランシューズは走らなくても便利です。
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木々の間から見える海と空の間がオレンジの帯状に光っています。
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曲がりくねった倒木。曇り空も相まってなんだか怪しい雰囲気です。すこしざわざわします。

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トレランの方々は遠くに見える灯台に走っていったようです。この後もう一度抜かれました。速い。
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どんな山の奥にも電気は通っています。牛はいないけど牧場柵を越えてまた下の方に下っていきます。山道はどこでも歩けて枯れ葉でふかふかなので少し歩きづらい感じ。
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立派な鳥居。藤二大明神。大漁祈願をする神社のようです。
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味噌玉石。味噌玉に似ているらしいのですが、味噌玉をみたことがなく…。火山弾だとパン皮状だとか呼んでいたのですが、花崗岩なので風化の過程でこのような面白いヒビが入っていったようです。大きいです。
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立石山から下りてきて海が近いです。あんまり歩いていないですがこの先の本殿に行く元気がなかった綾里漁港そばの天照御祖神社。
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時間は十分にあったけどこの階段がね...。
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高波や津波の差異は閉まります。いつでも何があってもパニックにならないよう色々想定しながら歩かなければいけません。
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川のカモ。色々我慢できなくなってスマホをiPhone 13から14 proにしたのですがズームの倍率が上がったのとLiDARがついているのとで大満足です。今までは鳥を見かけても小さくしか撮れなかったので。

車でまわるような旅行ならカメラも持ち歩くのですが、長い距離歩いているとスマホで写真を撮るのが一番楽です。充電管理だけ十分に気を付けています。

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今回は気仙沼から移動してきて15km。そんなに距離がなかったので綾里灯台の方に行ってもよかったかもしれません。ここまで北上してきて思うのは、また今度行こう、というのはほぼその機会がないということです。

生きている限りいつでも行こうと思えば行けるけれど後戻りするのは難しい。今しかないと思ってこれから歩いていきたいです。

最近なかなかブログの頻度下がっていますが、毎週2個ずつ程度書ければいいなと思います。

峠を越えて(岩手県大船渡市〜綾里駅:18km MCT day26)

昨夜は大船渡市街地に宿泊し、早朝スタートのつもりでしたがどうしても起きれず少し遅めにスタートしました。旅先なら早起きできると思っていましたが疲れていると割とそうでもないものです。

あいにくの雨模様ですがそんなにひどくなさそうなので気にせずスタートします。今回のルートは大船渡駅近辺から綾里峠を越えて綾里駅までです。「綾里」は「りょうり」と読みます。初見だと「あやさと」と読んでいて電車の検索で困りました。

これまでのルートで小さな山はありましたが、峠は初めてなような気がします。そもそもこのみちのく潮風トレイルに限らず峠を歩いて越えたことがない気がします。

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加茂神社。ここはトレイルルートに入っていますが、目的地からすると少し寄り道。しかしちゃんと意味があるようです。f:id:ochinaihappa:20230302003541j:image

狛犬が過剰装飾。マスクとウクライナスカーフ。旅路の安全をお祈りします。
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神社から参道を下ると大船渡の町が見下ろせます。ここから見える景色は東日本大震災の津波で一変しました。
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階段のそばにある標識にはQRコードが表示されています。このQRを読み取ると、ここから見える2011年3月11日の景色の動画を見ることができます。今見える景色と対比して当時の様子をスマホで見ることができるのはなかなか面白い取り組みかと思いました。動画自体はどこからでも見ることができますが、ぜひ現地で見てほしいです。
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盛川を越えて太平洋セメント工場沿いに歩きます。この少し上流に盛駅があり、三陸鉄道リアス線の始発駅となっています。寄ってもよかったですがまぁそのうち電車に乗って行くでしょう。
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縦横無尽に伸びるパイプ。工場のこういうきっとよく考えられているだろうけれどごちゃごちゃに見える配管は見ているとわくわくします。
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工場地帯を抜けるとすぐ三陸鉄道の陸前赤崎駅に着きます。陸前赤崎駅周辺には貝塚が多く遺されているようで、待合室は周辺の遺跡の資料室にもなっています。陸前赤崎駅から綾里駅までは電車や車ならばトンネルを越えてすぐです。
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綾里峠の入り口。12月なので熊は寝ているとは思いますが、最近暖かいので熊鈴は鳴らしながら行きます。
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綾里峠は地元の人によってよく整備されており、峠まであとどれくらいかしっかりカウントしてくれる標識があって少し楽しい気持ちになります。これは一丁目。(一合目?)
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みちのく潮風トレイルのテープと有志による四合目標識。なかなか進まないですが頑張ります。
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冬になり木々の葉が落ちて、少し上がると見晴らしがあります。枯れ葉がふわふわで歩きにくいところもありますが、特に苦も無く上を目指します。
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峠越え!!昔の人たちはここを通って町を行き来していました。嫁入り行列でここを通っていたとのことですが、なかなかハードなことをするもんだよなぁ…と感慨深い気持ちになります。トンネルができてよかった。
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山の頂上とは違い、峠道はこのように尾根の鞍部を越えます。山の頂上をとにかく目指すのも楽しいですが、山道を上がって鞍部から向こう側の景色が見えたとき、まさに峠を越えたー!という気持ちになって達成感があります。f:id:ochinaihappa:20230302003620j:image

山頂というわけではないので木々に囲まれて眺望が良いわけではないのですが、葉の落ちた木々の間から向こう側の町が見えます。峠を越えればあとは緩やかに下っていくだけです。仕事の峠を越える、病の峠を越える、峠を越えるとはこういうことなのかと峠の魅力に気づきます。

ここからは山道を楽しみながら緩やかに下っていくだけです。峠道の出口には不動滝へ向かう脇道があり、すこし奥まった岩場を抜けていくと滝を見ることができます。f:id:ochinaihappa:20230302003617j:image

このあたりから電波が通じなかったのでスマホをしまっていて不動滝の写真を撮るのをすっかり忘れていました。これは手前の小さな滝です。少し奥まって暗く滑りやすいので要注意。

朝ぐだぐだしていたせいで乗りたかった電車を見送ります。次の電車の時刻まで結構時間があるなぁと思いながら綾里の町を歩きます。
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少し歩いているとご近所の方に声を掛けられてありがたく坂本工房さんで休憩。トレイル関係の写真も貼っています。工房内には神社に使われるであろう美しい木工細工と、あたたかな薪ストーブ、そして工房の主?サビ猫のコロちゃん。

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先日訪れた気仙大工左官の家でみたこのあたりで継承される木工技術の一つかと思われます。

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ストーブで暖まりながらコーヒーをいただき、真摯に来客対応してくれるコロちゃんを眺めながら綾里峠のお話を聞きました。定期的に綾里の方々が道を整備してくださっているおかげで歩きやすい峠道が保たれているそうです。

薪ストーブが暖かくて少し長居しすぎた気もしますが、とても心地よい空間でここでお話しているだけで綾里の町をとても好きになりました。
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これは私の故郷にももっと古びたやつがありました。田舎の方によくあるけどリアルなので結構どっきりします。ここのはピカピカだったので新しく生産されていることにびっくりしました。宮古島まもるくんとかの仲間でしょうか。

峠道を下ってすぐに坂本工房さんのところで地元の方と会話しましたが、綾里は話しかけてくれる方が多く駅までに3人とおしゃべりしました。今まで北上する中で道行く人から話しかけられることがなかったので新鮮で少しうれしいです。綾里峠を越えてきたというと褒められました。
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綾里駅はとてもきれいな駅舎です。中には有人の乗車券売り場、ちょっとした売店、二階に展示室があるようですがこちらは閉まっていました。ただし2023年の3月で閉店しています。少し電車の時間までぎりぎりになってしまいましたが何とか本日のゴール。
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三陸鉄道で盛へ。乗車券を窓口で買うと硬券でもらえます。回収されちゃいますが言えばもらえたのかな?初の三陸鉄道乗車です。ちょびっとですが。

三陸鉄道は車窓からの景色もよく素敵な時間でした。観光客もちらほら。
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盛駅のイシツブテ。着ぐるみなのに浮いてる…!!
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盛駅は三陸鉄道とJR大船渡線BRTの駅です。バスに乗って帰宅します。BRTの区間も終わりですが、もう割と乗るのしんどいところはあります。やっぱり30分以上乗るなら電車の方が快適です。

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今回は18kmの道のり。宿で朝寝坊のおかげで帰りがだいぶ遅くなってしまいました。公共交通機関を利用してのセクションハイクは時間をしっかり確認しながら歩かなければならないなと思いました。

綾里の方々の温かさに触れ、大満足のお散歩でした。