長距離おさんぽ部

長い散歩が好きです

準備万端雪の峠道(岩手県釜石市 唐丹駅〜大船渡市 三陸駅:21km MCT day29)

この日は前日夜に釜石入りする予定でしたが、大雪の警報が出て交通機関は大荒れ、鉄道も運休するらしいとの情報を得てかなり歩きに行くか迷いました。しかし宿の予約もしちゃったし、今年度で東北を出ることも決まっていたので時間も限られていたため決行。午後休をとってお昼発でなんとか釜石にたどり着きました。

夜になるにつれしんしんと雪は降り積もり、東北と言えどあまり雪は積もらない太平洋の海沿いの釜石も一面の雪景色になりました。電車は夜は運休だったので早めに移動して正解でした。

三陸鉄道はなぜか運休の情報がなかったので結構強いのでしょうか。当日の予定にもかかわるので鉄道情報とずっとにらめっこしていました。

無事に雪の積もる釜石で朝を迎え、今日は唐丹(とうに)駅から鍬台峠、羅生峠を越え三陸駅に向かいます。二つの峠越えです。いつもは北上ルートですが、今回は工程の都合でセクション南下ルートを取ります。

4月に大六天山で痛い目にあったので、今回はトレッキングポールと軽アイゼン、雪対策もばっちりです。

hirasanpo.net

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唐丹駅は真っ白。私のつけた足跡以外は車の跡のみです。山陰になっているのもあり結構積もっていますが山の中はどうでしょう。
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昨日は雪も相まって大荒れでしたが、だんだんと天気は回復してきました。少し曇り空。
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鍬台峠登り口に着きました。入口からなかなかの積もりっぷりです。あまり慣れていませんし、山の中で装着するのも大変なので軽アイゼンを着けます。あるのは鹿の足跡だけ。
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雪が積もった山の中はとても静かです。ちょっとした小川も神秘的に見えます。
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トトロ!この辺りは越喜来にある潮目の皆さん中心にみちのくトレイルを盛り上げようといろいろなオブジェを目にします。人はいないけどなんだか温かい。

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トトロの背中はちょっとびっくり。WELCOME TO OKIRAIと書いてあります。
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雪の中でもトレイルテープはちゃんと見つけられました。道迷いだけは心配だったので一安心。
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思ったより雪が深くてラッセルのようになってしまっています。一番深いところだと1mくらい。アイゼンとポールのおかげで滑りはしませんがなかなか疲れます。
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真っ白な雪と青空の対比がとても美しい道。時間はかかりますが一歩一歩頑張ります。大雪は降りましたが気温はそこまで低くないです。
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もうすぐ峠越えの予感!
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峠に到着しました。雪に風が通り抜けた跡がついています。砂丘で見られる風紋かな。どのように風が通り抜けて雪の吹き溜まりができるのかがはっきり見えます。吹き溜まりに足を入れると膝上まで埋まるのでポールで雪の深さを確認しながらのんびり歩いています。
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こんな雪の中にある鍬台峠にもちゃんとみちのく潮風トレイルの綺麗な案内板があります。(雪がなければ歩きやすくて楽しい峠道だと思います。雪積もっても楽しいですよ!)
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少し平坦な林の中はしっかりと標識を探しながら歩かないとすぐ迷いそうになります。迷ったら戻る精神を忘れずに。小川を越えていきます。
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無事に下山して吉浜駅。三陸鉄道のアナウンスでは「きっぴん」とも言っています。きっぴんアワビからきているみたいですが、地元の人は吉浜のことをきっぴんって言ったりするのでしょうかね。
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駅舎の中は賑やか!写真撮り忘れましたが駅舎がピンクです。地域の本がそろっていたり、気象用の気球があったり賑やかな感じで少しゆっくりするのに最適です。休憩してまた次の峠へ。
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羅生峠に入るとますます越喜来の空気を感じます。ちょっとした石にもほっこり。雪の中ひとりぼっちで歩いていますがとても心強く安心します。
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吉浜駅に降りたときは雪はもうほとんど溶けていましたが、やはり峠の中は雪道。

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旅を見守っていてくれています。
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^-^
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峠の予感!こんなところにも電柱があってびっくりします。
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越喜来の方たちが作ったみちのく潮風トレイルの案内椅子。歓迎されている感じをひしひしと感じます。
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てんとうむし!
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旅路も「潮目」が近いです。
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峠から下りて町に入ります。ほっとします。
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おすすめって言われたからには行くしかない。
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大王杉、大きすぎて写真に入りきれません。立派です。
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日の入りが近いです。冬の歩ける時間は短い。とぼとぼ駅まで向かっている途中地元の方とおしゃべり。あなたはあの峠から来たんですよ!って山のどのあたりだったか教えてくださいました。峠に入っていると自分がどこにいたのかわからないものです。
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今日のゴールの三陸駅の目の前にある「潮目」。先ほど峠道にかわいらしいオブジェを置いて歓迎してくれていた施設です。見た目がおもちゃ箱のようでいろんな方の愛情を感じます。ここは震災資料館であるととともに、ハイカーのコミュニティスペースになっています。

まさしく私にとってもここが、ずっと一人ぼっちで歩いてきたみちのく潮風トレイルでの「潮目」になりました。施設を管理する方にまた明日の朝くると約束して一度ここを後にします。電車に乗る前に泥だらけの靴を洗わせていただきました。助かりました。

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夕焼けを眺めながら電車に乗ります。今日は釜石に泊まってまた明日続きから。

雪道は準備次第で不安ながらもとても楽しい旅路になります。雪は積もっていたけど風がほとんどなく気温もそこまで低くなかったのが助かりました。

ちなみにおろしたての軽アイゼンは履いたままアスファルトを歩いてひん曲がりました。はぁ...。

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