長距離おさんぽ部

長い散歩が好きです

守られる里山とモアイの森(宮城県南三陸町 さんさん館〜陸前小泉駅:18km MCT day15)

廃校舎にひとりきり、少々心細い気持ちも抱えながらぐっすり眠りました。

そして6時に防災無線のメロディーで目が覚めます。なんと南三陸町の朝のチャイムは「残酷な天使のテーゼ」です。寝ぼけながら夢を見てるのかと思って、現実だと分かった時思わず笑ってしまいました。

www.youtube.com

Youtubeにあげている方がいました。オルゴール調なのでなんだかしんみり。作曲者さんが南三陸出身の方のようです。南三陸の景色も合わさって大変エモいので、ぜひ南三陸に宿泊して早起きして聞いてみてほしいです。

各地の防災無線のチョイスはたまに個性が出ているところがあって耳を傾けるのが好きです。さいたまは海がないのに夏季の夕方のチャイムに「海」が流れます。

f:id:ochinaihappa:20230301233604j:image

カーテンを開けると昨日とうってかわって青空が広がります。今日の散歩も楽しみです。
f:id:ochinaihappa:20230301233601j:image

朝ごはん!量もちょうどいいし笹かまもある!
f:id:ochinaihappa:20230301233558j:image

小学校の時もの置き場にあったけど弾き方がわからなかったオルガン。アコーディオンのように足元のペダルで空気を送って弾くんですね。
f:id:ochinaihappa:20230301233607j:image

教室のような場所でイベントも開かれることもあるようです。

f:id:ochinaihappa:20230301233610j:image

昨日と全く違った風景に見えます。お世話になりました。また夏に来ようかな。
f:id:ochinaihappa:20230301233616j:image

水を張られた田んぼが夏の青空を映していました。ついついぼーっと眺めてしまいます。

水面を覗くとおたまじゃくしやイモリもいます。小学生のころは田んぼが主な遊び場だったので、ついつい童心に返ってしまいます。
f:id:ochinaihappa:20230301233613j:image

このコースは里山をめぐる本当にいいルートです。
f:id:ochinaihappa:20230301233619j:image

こんなところで育ったなぁ...。

ストリートビューで育った町を見たら、私が過去に遊んでいた田んぼもあぜ道も全部埋め立てられて住宅地になっていました。とてもさみしいです。

あの時と同じ風景はどこにもないけれど、そんなさみしい気持ちを埋めてくれる風景はいろんなところにあって、それも今住んで守っている方々のおかげだと思います。
f:id:ochinaihappa:20230301233622j:image

手作りのかざみどりがとても良い。初夏の香りがします。私が歩くたびに雉が鳴いていました。
f:id:ochinaihappa:20230301233625j:image

入谷はあちこちに石が祀ってあります。これは途中寄った巨石。この隙間は正直者は通り抜けられるそうですが、邪なものは通れないそう。なまこ石というのも道の途中にありました。
f:id:ochinaihappa:20230301233628j:image

見渡してみましたが血の池らしきものは見当たらず...。いつか現れるのか??
f:id:ochinaihappa:20230301233631j:image

払川の千本桂。カツラの巨木の背後を流れる小川が綺麗です。田束山の入口に近いです。
f:id:ochinaihappa:20230301233634j:image

田束山を登っていきます。急にパッと木々がひらけて原っぱのようなところに出るととても気持ち良いです。熊が出そうでしたが鈴を忘れたのでラジオを聴きながら歩いていきます。
f:id:ochinaihappa:20230301233637j:image

山の中のように見えますが、しっかり海まで見えます。海まではそんなに離れていません。

f:id:ochinaihappa:20230301233640j:image

半分舗装路くらいで非常に歩きやすい道です。
f:id:ochinaihappa:20230301233643j:image

モアイ!田束山にはあちこちにモアイがいます。これには長い歴史があるようです。

www.moaifamily.com

1960年にチリ地震津波で旧志津川町が被害を受け、その後、津波の伝承と復興の絆としてチリとの交流が始まります。1991年にチリの彫刻家からモアイ像が贈られたそうですが、2011年の津波により流出。2013年に「未来に生きる」人たちのために、チリとイースター島の方たちから、門外不出であった「イースター島」のモアイが贈られます。

贈られた本物のモアイ像はコース上になく見られなかったのですが、その交流を記念して、南三陸町内ではあちこちでモアイを見ることができるのです。

f:id:ochinaihappa:20230301233646j:image

モアイに案内されつつ、少し雲が出てきましたが頂上に近づきました。
f:id:ochinaihappa:20230301233649j:image

頂上からの見晴らしは最高でした!ツツジが有名なようで時期には頂上付近をツツジが覆います。頂上へは車でも行けます。
f:id:ochinaihappa:20230301233652j:image

下りは行者の道とよばれる山道を通っていきます。ここは鹿が少ないのか下草が綺麗です。牡鹿半島の方は季節も季節でしたが、牡鹿というだけあってだいぶ鹿に食い荒らされていました。

鹿ネット等よく見ることもあるのですが、鹿は食害もひどく下草を根こそぎ食べ、水飲み場になっているようなジメジメしたところだとヤマビルが拡がる原因になっています。

とてもかわいいので害獣扱いするのもなんですが、天敵がいないからなぁ。
f:id:ochinaihappa:20230301233658j:image

道もしっかりとしています。いい道なのでもう少し歩いている人もいてもよさそうですが全くすれ違わなかったです。
f:id:ochinaihappa:20230301233655j:image

古いベンチにふわふわな苔が生えています。座れないベンチですが良い森です。屋久島みたい。
f:id:ochinaihappa:20230301233701j:image

小さな滝。ずっと眺めてられます。
f:id:ochinaihappa:20230301233708j:image

思ったより丈夫そうな橋が出てきましたが、補強と人数制限がされていたので割と老朽化かな??蜘蛛の巣が張っていたので朝から登ったり降りたりした人はいなさそう。
f:id:ochinaihappa:20230301233704j:image

このモアイは頂上を指し示しています。人がいなくて少し心細いですが、モアイが出てくるとほっこりします。石積まれちゃってますね。
f:id:ochinaihappa:20230301233710j:image

田束山の登山道は歩きにくいところもなく急登もなく、景色もとても良いのでかなりおすすめです。

ただし小さな川を何度か渡るので水量が増える時は注意が必要。そしてうっかり私は川に足を突っ込んで後半テンションが少しだけ下がりました。

溺れるような川ではないですが、苔だらけなので転倒にも気をつけてください。
f:id:ochinaihappa:20230301233713j:image

人里に降りてきました。青空。田んぼ。少し暑いです。駅までの舗装路は少し長め。民家の中を抜けていきます。

f:id:ochinaihappa:20230301233716j:image

ゴールの陸前小泉駅です。

f:id:ochinaihappa:20230301201819j:image

今回の1泊2日で歩いた距離は33km。このルートは本当にお気に入りで、現在宮城県を越えて岩手に入っていますが、もう一度歩きたい宮城県内のコースをあげるなら迷わずここをあげます。もちろん廃校に泊まって!

あとイースター島から贈られたモアイはぜひドライブがてら見に行きたいなと思います。